つきのくさぐさ



天つ少女(あまつおとめ)は月のお生まれ(謡曲『羽衣』)

みなさま、能をご覧になったことはおありでしょうか?
「能・狂言」の能、世界文化遺産の能楽でございます。
古くは室町時代から演じられてきた古典芸能で、
流派によっていろいろですが、現在も200以上の曲目が残っています。

難しい、敷居が高い、眠い(!)というご意見、たしかにごもっともです。
ですが、分かりやすい曲、分からなくても美しい曲、いろいろあります。
中でも『羽衣』は、ストーリーも分かりやすいし、
たとえ分からなくたって、シテ(主役)の天女が舞っているのを見ているだけで、
もう、ほうっ~とため息の、おすすめ曲です。

もちろん、みなさまもよくご存知の「羽衣伝説」を題材にした曲ですが、
超ダイジェストであらすじを申し上げますと、
白龍という名の漁師(ワキ)が、ある日松の枝に天女(シテ)の羽衣を見つけ、
あまりの美しさに、持って帰って家宝にしようとたくらみます。
天女は持って帰られると困りますので、白龍に返してくれと頼みますが
白龍は返しません。
羽衣がないと天の国に帰れない・・・と、天女は天上世界を想い、嘆き悲しみます。
天女の落胆した様子を見てかわいそうになった白龍は反省し、
名高い「天人の舞楽」を目の前で舞ってくれたならば、衣を返すと折れます。
天女は、求めに応じて白龍の前で優美な舞を見せ
高く舞い上がると天の国へ帰っていくのです。

毎度ながらここからが本題であります。
また、超ダイジェストの割にあらすじが長い・・・というつっこみはなしに願いまして(笑)
この天女さまのお住まい・・・天上世界は、いったいどこにあるのでしょう?
答えは『月』であります。
詳しく見ていくと、謡曲の本文中にちゃんと書かれてあります。
お月さまにあるという「月宮殿」に住む月天子(月を神格化した神様)に向けて
「南無帰命月天子(なむきみょう がってんし)」と礼拝したあと
舞を舞い始めるのです。

また、この天女さまのご職業(?)は「月を満ち欠けさせること」なのです。
なんでも、月宮殿には計30人の天女がお仕えしているそうです。
15人は白い衣、15人は黒い衣を着ておられまして、
宮の中と外で、15人ずつ控えておられます。
そして1日1人、白い衣の天女と黒い衣の天女は入れ替わり、
宮の内に白衣の天女15人のときが満月、黒衣の天女15人のときが新月なんだとか。
(*ちょっとこの辺り、裏づけが取れていなくて曖昧なのですがご容赦下さい)
『羽衣』のシテはたいてい白い羽衣をまとって舞われますから、
このお方は「白衣の天女隊」(仮称)の一員であろうと推察されます。
確かに・・・白龍に衣を取られたままだったら、大変危険でしたね。
お月さまが満月になれません!(笑)。
無事天の国にお帰りになれて、よかったですね。天女さま・・・♪

『羽衣』の天女さまが月のお生まれと知り、
この曲にますます親近感が湧いた約1名でございます。
ただ・・・。




今日の記事は、もともと、
新宿御苑・森の薪能
に行くべく予習をしていた際の副産物です。
調べていたらとっても楽しかったのですが・・・この薪能、今日の雨で中止になってしまいました!!
せっかくせっかく、予習万端、楽しみにしておりましたのに。
雨なんて、雨なんて・・・(泣)。
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by variousmoon | 2004-10-12 23:29 | いろいろな月
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