いつも企画ものの際にホクト君とご参加くださる
<ホクト三昧>のhokutomamaさまのお薦めでございます。
十三夜の宴のときの話ですから、かれこれ3ヶ月近く前のお話で、
盗みに入るのがあまりに遅すぎましたが、どうぞご容赦下さい。
実は、ドリトル先生シリーズは子供のころ大好きで、
何冊も買ってもらいよく読んでいたのでありますが、
うかつにもこの『月シリーズ』は未読だったのです。
なので、懐かしさも手伝って、図書館で借りてきました。
ドリトル先生は、ご存知の方も多いと思いますが、
唯一「動物語」を自在に操れる動物のお医者さんです。
動物語が話せるわけですから、その治療は正確無比、
さらにドリトル先生自身が、動物のために一生を捧げてもいい、という
研究熱心かつ治療熱心な方なので、
その高名はひろく動物界に知れ渡っています。
それどころか、ついに月からもお迎えの使者がやってきて、
ドリトル先生は、地球とはあまりにも違う月の世界を目の当たりにすることに・・・!
というのが、この『月からの使い』『月へゆく』『月から帰る』の内容です(そのまんまですが)。
遠くかぐや姫の時代から、月には人が住んでいる別の世界がある
というのは定番のパターンなのでしょうが、
このドリトル先生シリーズの場合、住んでいるのは「しゃべる植物」!
動物も人間もいるにはいますが、植物が知性を持っているのです。
ちょっとびっくりいたしました。とても自分では思いつかなくて。
やはり、お月さまには、様々な想像力をかきたてる魔力が備わっているのですね。
そしてこの物語のもうひとつの特徴は、「戦争と平和」です。
月世界には争いがなく、戦争は過去の記憶としてのみ存在します。
それは、月世界の住民が、平和を愛し話し合いを尊重して暮らしているから。
ドリトル先生もその統治システムにはしきりに感嘆しています。
確かにこれを“ユートピア”(どこにもない場所)の典型例と捉えるのは簡単ですが、
作者のロフティングが、ドリトル先生シリーズの原型を
従軍中に子供に書き送った手紙から生み出したことを考え合わせると、
かなり明確なメッセージとして、『反戦・平和主義』をうたっているといえるでしょう。
そんなことをつらつら思いながら読むと、大人になっていても楽しかったです。
(自分がほんとに大人なのか・・・?という話はとりあえず脇に置いておいて。笑)
懐かしさと楽しさと新たな発見ができた読書でした!
hokutomamaさま、お薦めありがとうございました♪