つきのくさぐさ



カテゴリ:「文」の月( 21 )


『弥勒の月』(あさのあつこ著)

あさのあつこさんをご存知でしょうか?
ご存知ない方も、映画、ドラマ化された『バッテリー』という野球小説の作者といえば
「ああ~」とご納得くださる方もいるかもしれません。
『弥勒の月』は、そのあさのあつこさんの時代物。
野球小説(しかも元々は児童向け)と江戸の捕物帳とは
まったく相容れないような気もして、
『バッテリー』ファンであるvariousmoonも、しばらく手に取るのをためらってました。
ただ、そもそも時代物の小説も好きなジャンルではありますし、
文庫化しましたし、何よりタイトルに「月」が含まれてますし・・・
ってことで、この間読んでみました。

例によってネタバレはしませんが(って、このまえ「文」の月を書いたのはいつでしたっけ?)、
江戸の世、人工の光が極端に少なかった夜の闇において
月の明るさがどんなに人々にとって大事だったのだろう、と
そんなことを思いながら読みました。

読んで初めて知ったのですが、この本、章立てもお月さまで統一されてるんですよ!

第一章 闇の月
第二章 朧の月
第三章 欠けの月
第四章 酷の月
第五章 偽の月
第六章 乱の月
第七章 陰の月
第八章 終の月
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by variousmoon | 2008-11-20 23:52 | 「文」の月

「雪月花時最憶君(雪月花の時 最も君を憶ふ)」【白居易「寄殷律協」】

今日は、関東地方には珍しく、一日中雪が降りしきっていました。
思わず、猫のように炬燵に丸まっていたvariousmoonでしたが、
雪の降る音、というのは、耳をそばだてていたら、
気のせいではなくて確かに聞こえますね。
来し方行く末、思わず感慨にふけってしまいました。

「雪月花の時 最も君を憶ふ」…このフレーズは割に有名ですが、
雪も月も花も、心に留めていないと案外見逃すもの。

あなたにとって、「君」はどなたですか?
いとしい「君」を最近思い出したことがありますか?

少しばかりの自戒を込めて。

追伸:去年は雪が降りませんでした。一昨年の雪・月・花はこちらで。
ついでに、私の愛する上村松園の「雪月花」はこちらで。
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by variousmoon | 2008-02-03 22:49 | 「文」の月

「月夜の晩にボタンが一つ」

続きは「波打際に落ちてゐた」。
中原中也の詩『月夜の浜辺』の冒頭です。
今朝の日経新聞1面のコラム「春秋」に、
この詩が引用された記事が掲載されていました。
恥ずかしながら、variousmoonは初めて知ったのですが
とても素敵な詩です。
詩の全文はこちらでお楽しみください。

「人には普段気づかないでいた価値にふと目覚める瞬間がある。
月光にはそんな人間の眠った感性を揺り起こす働きがあるのかもしれない」

また、コラム内のこの表現も非常に素敵でありました。

そういえば、今日は月面着陸の日でした。
去年の当ブログの投稿→1969年7月20日午後9時56分
台風、地震、と災害続き、
さらに週末は全国的に雨模様ということで、
なかなかお月さまにお目にかかることもできませんが、
「かぐや」打ち上げまでもう1ヶ月をきりました。
お月さまをまた身近に感じる機会、大切にしたいですね。

*7月23日追記
記事でのお知らせが遅くなりましたが、
「かぐや」が部品トラブルで打ち上げ延期になりました。
打ち上げ日はまだ未定だそうですが、9月ごろらしいです。
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by variousmoon | 2007-07-20 23:18 | 「文」の月

来年の歌会始

みなさま、こんばんは。
本日午後、宮中では古式ゆかしく「歌会始の儀」が催されました。
今年のお題は「笑み」でした。
儀式の様子や入選の歌を、テレビや新聞でご覧になった方も
いらっしゃることと存じます。

さてさて、variousmoonが夕刊を見て固まってしまったのは、
来年の歌会始のお題が「月」であると知ったからでございます。
身の程もわきまえず、「おお!これぞ私のためのお題!!」
などと一人ひそかに興奮しておりました。
和歌なんておいそれとは出来ませんが
ぜひぜひ応募してみたいものでございます。
和歌自体もそうですが、「半紙に毛筆で自書」というのも
相当高いハードルなのではありますが(さすが宮内庁)、
でもそこはお月さまへの愛でなんとか・・・なりませんかねぇ(笑)。

詳しい応募(正確には「詠進」と申します)要領はこちらをご参照下さい。
歌会始の詠進要領(平成19年)
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by variousmoon | 2006-01-12 23:54 | 「文」の月

「天(あめ)の海に 雲の波立ち 月の船 星の林に 榜(こ)ぎ隠る見ゆ」(詠み人知らず『万葉集』巻7-1068)

月の船 何処へ行く?

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ほんとうに久し振りに出逢えた今日のお月さまは、沈む間際。
金色に輝き、舳先を上げて。
まるで天空の海に漕ぎ出すような、その姿・・・。

この歌は『万葉集』では詠み人知らずになっていますが、
一説には歌聖柿本人麻呂の作と言われています。
人麻呂作だとすると1300年以上前の歌ですが、
この感覚は驚くほど現代的です。
天→雲→月→星の「空つながり」と
海→波→船とつながる「海つながり」のことばが
ひとつの歌のなかで絶妙に融け合っています。
まるでSF世界のようではありませんか?
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by variousmoon | 2005-03-14 22:16 | 「文」の月

『月・人・石』(乾千恵 書/谷川俊太郎 文/川島敏生 写真)

a0010194_0574635.jpg


図書館でまずタイトルに惹かれて手に取り
「初めて出会う「書の絵本」」という帯の文句が気に入って借りました。
読んでみるとまさに絵本。
見開きの左ページに漢字1字の書が、右ページに写真と文が置かれていますが
吸引力はあきらかに書のほうにあり、つい目が左に行ってしまいます。
また、線の力強さといい1字のバランスといい、
『文字』というよりは『アート』の領域に感じられます。

というわけで、1度目は左ばかりを向いて読み終えた私でしたが、
2度目はつとめて右を向いて読むようにしました(笑)。
すると、また、文章もとても素晴らしいのでした。
1ページにほんの1,2行なのですが、
目立たぬながら、書のパワーを受け止めて跳ね返すだけの「言葉の力」があります。
さすがは谷川俊太郎・・・と申しましょうか。

書で取り上げられた漢字が何か、文がどんな文なのか
引用したいのはやまやまですが、ネタバレになるので自粛します。
ただ、タイトルどおり「月」「人」「石」は必ずあるので
ご興味のある方はご覧になってくださいませ。

さらに最終ページにおまけがあります
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by variousmoon | 2005-02-26 01:23 | 「文」の月

地上の霜(李白『靜夜思』)

全国的に寒波がやってきて、凍える日本列島です。
(関東ではさほどには感じませんが、吹雪いている九州の映像を見たとき実感しました)
今朝も空は晴れていましたが、土の部分には霜が降りていましたね。
思わず靴でさくさく踏みに行ったとき、
「今日はこの詩をUPしよう」と決めました(注:表向きの理由)。

牀前看月光  (牀前 月光を看る) 【しょうぜんげっこうをみる】
疑是地上霜  (疑ふらくは是れ地上の霜かと) 【うたがふらくはこれちじょうのしもかと】
擧頭望山月  (頭を擧げて山月を望み) 【こうべをあげてさんげつをのぞみ】
低頭思故郷  (頭を低れて故郷を思ふ) 【こうべをたれてこきょうをおもふ】

李白の漢詩の中で、おそらく一番有名です。
高校の教科書にも載っていましたし、
「牀」が寝台であることさえ分かれば、口語訳もいらないくらい分かりやすいです。

寝床の中から月の光を感じることができたり、
頭を上げるだけで窓からお月さまと出逢えたり、
・・・は今のところ、私には難しいのですが、
「故郷を思ふ」気持ちは、昔より身に沁みて感じるようになりました。
あとはこの『靜夜思』を実践できる住環境が揃えば完璧です。
どなたか提供していただけませんか?(笑)。

今回は『節分寒波』だとか。みなさまお風邪にはお気をつけてお過ごし下さい!

2/2追記:
gonさまのこのレポート(昨年10月28日現在)によれば、
gonさま邸は『静夜思』の要件を満たしているようでございます。
訪ないし月

そして、『静夜思』を取り上げておられたのはこちらが先です!
seagull_bladeさまの月下独酌。(李白)
なんと昨年8月30日、Blue Moonのときです。
思わず時間が経ちすぎてしまいまして申し訳ありませんでした。

裏向きの理由(?あえてお知りになりたい方だけどうぞ)
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by variousmoon | 2005-02-01 23:59 | 「文」の月

「これやこの冬三日月の鋭きひかり」(久保田万太郎)

今日の三日月

<☆☆☆>のteam_hystericさまから、
今夜の三日月はきれいだった!とのご報告をいただきました。
ただ、今日は月の入りが18時45分。
・・・まだ仕事してました。残念です。無念です。

代わりといっては何ですが、この俳句をUPします。
これこそ冬三日月!と拍手したくなるほど
簡潔にして全てを言い尽くした表現です。
月の俳句の中でも、とっても好きな句です。
身が引き締まる思いです。

そういえば、TB企画“ギャラリー冬三日月”の名前は
この句から思いついたのでありました♪

え~っと、どなたか今日の三日月を撮ってる方おられませんか??
三日月写真をトラバしていただければ泣いて喜びます!!

******************************************************
1/13追記:さっそく大本命(?)蒼月兎さまのご登場です。
夕暮れのお月さま「三日月」
綺麗です。ほんとうに・・・その言葉しか出てきません。

お次はいつも企画もののときに「最強お月さま」でご参加いただくfctokyo1999さま。
1/12のお月様 地球照の兎さんげっとー
見事な地球照です。暮れなずむ背景の空の色も大好きであります。

さらに、携帯で撮られたとは思えない姿をゲットされた、うらやましいたまさま。
今宵
はっきり言って、近頃の携帯カメラはうちのへっぽこデジカメ以上に美しいですね。

そしてこれは13日のお月さまでしょうけれど、人魚姫さまから勝手に(!)拝借しました。
557句 水底に
お月さまは宙のうえ?それとも海の底?

fctokyo1999さまからも13日のお月さま、届いています。
1/13のお月様
ピントくっきり、三日月はっきり・・・まるで研ぎあげた刃のようです。

1/16追記:遅ればせながらkaho_nomiさまの13日のお月さまも頂戴いたしました♪
初春の光
こちらも地球照がすてきです。ベランダから「あ、お月さま」・・・あこがれの世界です。

みなさま、ありがとうございました~♪
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by variousmoon | 2005-01-12 22:44 | 「文」の月

『十三夜』(樋口一葉)

十三夜の夜に、明治の十三夜の夜の物語はいかがですか?

樋口一葉は明治時代前期の女性小説家。
言わずと知れた新・五千円札の肖像です。
今はちょっとした再評価ブームになっておりますが、
代表作は『にごりえ』・『たけくらべ』・『大つごもり』
そしてこの『十三夜』ではないかと思います。

『十三夜』は短編です。
例によってあらすじは申し上げませんが、
十三夜の晩、久し振りに実家に帰ってきた娘に父親が、
「兎も角も奧が好い、ずつとお月樣のさす方へ」
と勧める、という描写がいちばん心に残るところです。

明治時代の特に初期には、家の中にも
「月明かり」という概念がちゃんと生きていたのだと思うのです。
燭台や行灯やもしかしたら洋燈もあったかもしれませんが
それでも残る闇はあり、それをやさしく照らすのが月だったのだと
この部分を読んであらためて実感しました。

樋口一葉の文体は雅俗折衷体の擬古文なので、
読み難いと思われる方もいらっしゃるかもしれません。
現代語訳の書籍も発売されているみたいですが、
『十三夜他 現代語訳樋口一葉』
ここはちょっと頑張って、原文を読んでいただいたほうが
つややかな月明かりをより一層味わっていただけるのではないでしょうか。
幸い、便利な世の中なので、WEB上で手軽に読むことが出来ます。

青空文庫『十三夜』
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by variousmoon | 2004-10-24 22:09 | 「文」の月

『センセイの鞄』(川上弘美)

話題になったのは、もう大分前の話でしょうか。
ようやく(今さら?)読了することが出来ました。

単なる本好きからの興味で読み始めたのですが、
じつは、主人公は「ツキコさん」。
漢字で書けば「大町月子さん」
・・・お月さまだ~と喜ぶ約一名であります(笑)。
さらに、このお名前にちなんだのか、
各シーンに効果的にちりばめられる月の風景がよいです!!
時の移り変わりに寄せて、センセイとの交流が深まっていくさまを、
お月さまの淡い輝きがいつも見守ってくれています。
私も「センセイ」との恋、あこがれましたね・・・。

川上さんの文体・世界観は、多少好みの差はあるかもしれませんが、
この本は、読みきり連作のかたちを取っているのが
特に読みやすくて、最初の1冊におすすめです。
映画化されたんですよね・・・普段は原作が好きなら回避するところですが
(原作を活かした上でうまく映像化されている作品がほとんどないので)
この『センセイの鞄』はちょっと興味があります。

*夏休みの読書感想文です(笑)。引き続きお休みしております(休みすぎ)。
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by variousmoon | 2004-09-08 22:02 | 「文」の月


月を語ろう。月と語ろう。月と遊ぼう。月を遊ぼう♪ from 甲申年 閏二月朔日
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