十三夜の夜に、明治の十三夜の夜の物語はいかがですか?
樋口一葉は明治時代前期の女性小説家。
言わずと知れた新・五千円札の肖像です。
今はちょっとした再評価ブームになっておりますが、
代表作は『にごりえ』・『たけくらべ』・『大つごもり』
そしてこの『十三夜』ではないかと思います。
『十三夜』は短編です。
例によってあらすじは申し上げませんが、
十三夜の晩、久し振りに実家に帰ってきた娘に父親が、
「兎も角も奧が好い、ずつとお月樣のさす方へ」
と勧める、という描写がいちばん心に残るところです。
明治時代の特に初期には、家の中にも
「月明かり」という概念がちゃんと生きていたのだと思うのです。
燭台や行灯やもしかしたら洋燈もあったかもしれませんが
それでも残る闇はあり、それをやさしく照らすのが月だったのだと
この部分を読んであらためて実感しました。
樋口一葉の文体は雅俗折衷体の擬古文なので、
読み難いと思われる方もいらっしゃるかもしれません。
現代語訳の書籍も発売されているみたいですが、
(
『十三夜他 現代語訳樋口一葉』)
ここはちょっと頑張って、原文を読んでいただいたほうが
つややかな月明かりをより一層味わっていただけるのではないでしょうか。
幸い、便利な世の中なので、WEB上で手軽に読むことが出来ます。
青空文庫『十三夜』